本日の1冊: 新訳 ヒトラーとは何か
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有名でありながら、実はヒトラーのことをあまり知らなかったと痛感される。その内容は、衝撃的であった。
売れない画家だったオーストリア人のヒトラー(ドイツ人でない!)は、そして政治家になるも、前半は冴えない人生を送っていた。それが突然ドイツを掌握し、破竹の勢いでヨーロッパを支配していくも、あっという間に崩壊していく。その起伏の激しい人生の中で、なぜユダヤ人や障害者などを虐殺しようとしたのか。
そのWWⅡでドイツの負けが確定的となったときにヒトラーのとった行動、絶望的な戦に挑み市民を巻き添えにするのは一見、不合理である。しかし、彼の野望をなしえなかったドイツ人への復讐と考えると、非常に合理的になる。その 狂った思考は当然ながら、そうした人物に当時のドイツ国民が信頼を寄せていたことに、改めて恐怖を覚える(多数決や人民の声というのが、必ずしも正しくないのだと)。
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