本日の1冊: 99%対1% アメリカ格差ウォーズ
99%対1% アメリカ格差ウォーズ 町山 智浩 講談社 2012-09-20 売り上げランキング : 19241 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
映画評論家の町山智浩氏が、アメリカの政治やマスコミの醜態を辛辣に書き下ろす。
アメリカは保守・キリスト教(カトリック)を拠り所とする共和党と、リベラルの民主党の二大政党によるのは言わずも知れたところだが、本書ではどちらの政党も理念から外れ、マスコミをも巻き込んだ利己的な活動に成り下がったアメリカ政治の姿を書きつづっている。
国民皆保険制度への反対や企業の利益至上主義に対する考え方や、そのための政治利用の仕方は、いくらもともと自由主義(ここがややこしいところだが、アメリカの言うリベラルとは別で、共和党の考えである個人中心の保守主義)がアメリカの考え方とは言え、非常に違和感を覚える。
本書は淡々と負の側面を書いて展望や示唆と言ったものはなく、ユーモアとともに書かれているので読み物として楽しめる。一方、成熟した資本主義社会の政治のあり方は、利己主義的なアメリカだけでなく、無関心が増えている日本でも共通の問題と感じた。即ち、国民主権がもはや水や空気のように当然の存在となり(民衆を搾取するような目に見える悪がいなくなり)、もはや理念や信念がなくなったとき、政治はどうあるべきか。
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99%対1% アメリカ格差ウォーズ作者: 町山 智浩出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/09/20メディア: 単行本(ソフトカバー) 米国の国家戦略や、共和党・民主党それぞれの”公式な”思想など米国政治の”上流”部分は日本語に訳されている書籍も多く、いろんな人が解説しているので本を読む人には簡単に情報が手に入る。 だが、実際にどういった人が、どのような思考回路で政治を動かしているのか?という面については、実際に住んでいる人しかわからないし、外国人には理解しづらい部分も多い。 語弊を恐... Read More
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