2013年9月 Archives

ネイビー・シールズ最強の狙撃手ネイビー・シールズ最強の狙撃手
クリス カイル ジム デフェリス スコット マクイーウェン Chris Kyle

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US NAVY SEALs 隊員によって書かれたノンフィクション。同じくSEALsによって書かれた「アフガン、たった一人の生還」の著者、マーカス・ラトレルとは友人とのことで、こちらのカバーメッセージを書いている。

シールズとしての訓練から9.11後の作戦活動に何度も参加、イラクの反政府勢力からは悪魔と呼ばれるほどの狙撃をなしとげ、その後PTSDを煩って退役するまで半生を描く(今年2月3日にアメリカ国内で射殺されたとのことで、実質伝記とも言える)。有名なファルージャでの戦いを始め、戦争の現場で何が起こっていたのか、米軍(と言ってもエリートのSEALsなので、一般兵とはまた違うだろうが)が何を考えているのか知ることができる。一方、好戦的な性格や言動、乱暴的なSEALs内のしきたりには、読む者によっては不快感を覚えるかも知れない。

所々に、妻との馴れ初めから出産、ずっと戦地に赴き家を不在とすることによる妻の葛藤などが書かれているのだが、著者とは別に妻が記載しているのも面白い。状況は違えど、男と女のすれ違いを良く表している。本当かどうかは別に、SEALsの離婚率は95%(P.67)というのも納得できるほど、すれ違い過ぎるのだが。。。

先日購入したXperia ST21を不覚にも洗濯してしまい。。。新たに買い直すことに。前回のST21はセールが終わっており、また海外に持っていた感想として当初目論んでいた2枚のSIMカードがさせる方が便利だと結論づけ、C1605を購入した。まずはファーストインプレッションを記す。


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内容物は簡易マニュアルの他、Micro USBケーブルやACアダプタ(但し日本では使えない)、写っていないがイヤホンなどを含んでいた。

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裏蓋をあけると・・・SIMカード挿入口が並んで2つある。

サイズはST21より大きいものの、薄いので持ち運びやすさはスポイルされていないと感じた。むしろiPhoneとの2台持ちの身としては、C1605の方が重ねて持ち歩きやすいので便利だった。本体サイズに比例して画面サイズも大きいのだが・・・この辺は必要最低限といったところか。動作も、シングルコアなのでほどほどといったところ。
総じて、ST21と同じ感想であった。即ち、海外用とか、2台目といった用途なら特に不満を感じないだろう。

肝心の目玉であるDual SIM の機能・感想は、別途記すことにしよう。
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派遣社員も経験しながら、AppleでiPadなどの品質管理でシニアマネージャーまで勤めた経歴を持つ著者。いろんな世界を経験したからこそ見えてくるのだろう、世界が国という枠組みを超えて、帝国と定義する大企業によって支配されている実態を書き下ろす。

新鮮な野菜・食材よりも遺伝子組み換え食材、抗生物質など化学肥料をたくさん使った食材やファストフードの方が安くすむため、マクドナルドや大手メーカーなどに依存していく。そしてそれが肥満を始め、健康に影響を及ぼす。しかし、保険も働く企業によって大きく異なる(著者はAppleを辞めて、保障の少ない民間の保険に月10万円払うことになったと述べている)。また、働き場所も、大手企業の社員がやらない危険な仕事が多くなるというように、一部の企業によって搾取されている現実を問題提起する。

読み物としては非常に面白かった。タイトルから個々の話がきれいに構成されており、わかりやすい。

ただし、個々の事象に対しては、一方的な印象は受ける。例えば、遺伝子組み換え食材は、それが開発されたことで多くの人々が餓死から免れるようになったことを考慮せずに悪とするのは、かつてのDTP問題などと同じである。また、提言として、Appleなどの優秀な人でオペラなど多彩な人が多いことを例にあげ、芸術の能力をみがく必要性を訴えるが、因果関係が疑問である。


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投機王リバモアの半生を描く。テクニックの類はあまりない(もっとも、銘柄も少なく、コンピュータ化されていない1世紀前の話なのでそこを当てにすることはないだろうが)が、天才でありながら幾度もの破産・復活を成し遂げた、心構えや哲学的な考えは興味深い。

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上巻の夢と希望に満ちた4人の少年の旅立ちからヨーロッパ往訪と打って変わり、下巻では、キリシタンに対する迫害が日本で始まる。最初は理解を示していたかにも見えた豊臣秀吉。しかし、次第に疑心となり、迫害へ流れていく。そして徳川の時代では正式にキリシタン禁令が発令されていく。本書では、その迫害の残酷さと粗雑さに対し、キリシタンの心の穏やかさが非常に際だつ。

そこへ、8年もの歳月を経て帰国した4人。英雄となって、日本を引っ張っていく人材になってもおかしくなかっただろう。歴史の不運というにはあまりにも軽いが、それ以上の言葉は思い浮かばない。本書ではそれぞれの末路にまで言及されているが、それらはなんと表現したらいいのだろう。はかなさ、無情さ、やりきれなさ、むなしさ。