本日の1冊: 日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

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日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」
水谷 竹秀

集英社 2011-11-25
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フィリピンパブなど、ホステスに入れあげて現地へ渡った日本人。やがてお金がなくなると捨てられ、挙げ句の果てに路上生活者になってしまう。退職金を持って、借金や犯罪で、日本に居づらくなり、状況は千差万別だが、フィリピンに渡り日本に帰るにも帰れなくなった人々をルポ形式で追う。

なかなか実情を知り得ない中、本書は本人、周りのフィリピン人、本人の日本の知人・家族まで取材し、また核心にまで突っ込み時には嘘まで見抜くだけあり、なかなか読み応えがある。一言で言ってしまえば自業自得・自己責任なのだが、なぜこうまで人生の歯車を踏み外したのか、興味深い。

また、捨てる神あれば拾う神ありでないが、フィリピン人達の心優しさも印象的である。特に次の一文は心に残った。

「日本人はとにかく人目を気にしますね。いい意味で人のことを思いやる、自分さえよければ、じゃなくて社会全体のことを気にするというか。小学生のころ、人の迷惑にならないようにと教えられませんでしたか?でもフィリピン人は四六時中人に迷惑をかけっぱなしだから、逆に自分が迷惑かけられてもどうってことないんですよ。ストレスを感じないっていうか。日本人はいつも迷惑かけないようにって生きてるんですよ。だから、少しでも迷惑を掛けられるとすごく怒ってしまいますよね。困窮している日本人も、日本人が相手だったらきっと世話になれないですよ」

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