本日の1冊: 竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)
竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫) 司馬 遼太郎 文藝春秋 1998-10-09 売り上げランキング : 4121 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
線香花火。
読後感を一言で言い表すと、そんな言葉が思い浮かんだ。大政奉還を考案するも、土佐藩、薩長、それぞれの思惑で綱渡りが続く中、いよいよ維新の夜明けが見えてきた。そんな最中、ふっと竜馬は居なくなる---暗殺される。竜馬は明治政府の人事素案も考えていたが、そこに自身の名前は書かず、ひょっとして、結末を知っていたかのよう。
また、小説の終わり方も心憎い。これだけの長編、竜馬が居なくなった後も史実なり何なり、余韻を引っ張ることはいくらでもできたであろう。敢えてそうせず、すっぱり終わらせる---読者の中で物語が続くことを知っているかのように。
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