本日の1冊: メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書) 松永 和紀 光文社 2007-04-17 売り上げランキング : 63971 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
記憶に新しいあるある大辞典の納豆ダイエット問題は単に放送側の倫理的な問題だったが、白インゲン豆ダイエットのように、TV放映された内容を試した人が嘔吐・下痢で病院に担ぎ混まれるようなことも。これは極論ではあるが、メディアの情報を鵜呑みにせず如何に自分で考えて捉えるか。そんな問題提起を、様々な事例を基に投げかける1冊。
添加物・遺伝子組み換えパッシングや自然志向といった白黒単純論、昔はよかった的な感傷論からニセ科学(マイナスイオン、水からの伝言)や政治経済に利用される・た問題(バイオ燃料、地産地消、トランス脂肪酸)の誤解を、科学的に解説する。実際にそこまで読み込むかどうかは別にして、それらに対しては科学者や学者の論文を示しており、新たな問題に対してファクト(真偽)を調べればよいか参考になる---最も、そうした論文はほとんどが英語なのだが。
メディア、特にTVの情報は単純であり、思考せずに受け入れることは楽である。が故に、多くに人はそれを信じるのだろう。しかしながらその情報も作ったのは同じ人間、そこには欲(視聴率、関連食材の販売、知名度)や怠惰(調査分析・聞き込みなどの手抜き)、思いこみ・間違った正義感や政治経済情勢、長いものに巻かれる的な思考といったものが入り込む余地は多分にある。一部、著者の思い、感情が強いと感じる箇所もあったが、物事を考えるきっかけとして、必要な書だった。
備忘録:
食品安全情報Blog(国立医薬品食品衛生研究所安全情報部・主任研究官 畝山智香子氏の個人ブログ)http://d.hatena.ne.jp/uneyama/
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