本日の1冊: 地球の論点 ―― 現実的な環境主義者のマニフェスト
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都市問題、原子力、遺伝子組み換えなど、個々の事象で議論されがちな問題を、タイトルの通り地球規模の視点で論点を提示している。特に、原子力については、資源、廃棄物など、まさに今、偏狭した考え方が充満している日本で真剣に熟知し、考えるべきポイントが記されている。
また、遺伝子組み替え問題についても、ヨーロッパなどは不確定事項に対する安全原則によって禁止されているが、今まで何も問題ないこと、そもそも自然界では遺伝子変異は普通に起こっていること、そして重要な問題として、遺伝子操作によって効率よく大量の食物を安全(農薬など、別の害を減らし)に生産し、多くの人が飢餓による死から救われているという事実を無視していることから、如何に感情的な判断が不合理な事実を選んでいるか、思い知らされる(この辺は、原子力の科学的知見やNPT条約など過去の経緯を知らずに、安直な脱・卒原発を掲げる日本の政治家に対しても、同様といえる)。
余談だが、裏表紙にスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学・卒業スピーチで有名な「Stay hungry, Stay foolish」が記されている。てっきり、スティーブ・ジョブズは信仰する禅、即ち曹洞宗の祖、洞山禅師の言葉「愚の如く、魯の如し」から持ってきたとばかり思っていたが、どうもこちらを賞賛し、引用したようだ。ここら辺は少し、探求してみたい。
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