本日の1冊: 憲法で読むアメリカ史(上) (PHP新書)
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いろいろ歴史書はあるけれど、本書は憲法からアメリカの成り立ちを追うという視点がユニーク。内容も堅苦しくなく、非常に面白い。
上巻では建国から南北戦争(序章として、ブッシュJr.の大統領戦を含む)までを範囲としている。アメリカ憲法は200年、ほとんど形を変えることなく現存することからも、非常に考えられ、作られているのがわかる。その生い立ちを読み解くと、なぜアメリカが弁護士社会なのか、なぜ得票率で勝っても結果で負ける大統領選が許されるのか、なぜ上院議員は1票の格差が70倍もあるのに問題とならないのか、などアメリカを理解できる、オススメの1冊だった。
印象に残ったのが、1819年3月6日のマカラック対メリーランド事件の判決で、マーシャル判事が連邦政府を「人民の政府であり、人民によって権限を与えられた政府であり、人民のために権限を直接行使する政府」と称している。そう、リンカーンの演説で有名な「人民の人民による人民のための政府」の基となる趣旨が、その約40年前にあったのである。(P.127)
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