本日の1冊: 2010年6の月、500万人が夜逃げする
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2010年6月、貸金業法が成立した。いわゆる総量規制、年収の3分の1以上の借り入れがそれまでの実績にかかわらず出来なくなった。身近で、こがきっかけで自殺した人がいただけに、立法の背景を知ろうと手に取ったのだが、そのあまりのお粗末さに愕然とする。これは関係者も語っているが(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33356)、見直し前提で作成されたものが、その見直しされずに施行されてしまった、欠陥法だった。本書でも明らかになるが、制度の検討会では多重債務者、弁護士、貸金業者や有識者、債務者などなど参加するも、圧倒的多数の利用者は一切参加していない。誰のための、何のための法律だったのか。
本書ではそうした矛盾点をつきつつ、簡単な計算で破たんの臨界点を算出する方法を示す。簡易な文面で書かれているので、消費者金融の世話にはならない人も、ちょっとした知識として読んで損はない。難点を挙げると、著者の主義主張を通すために、実例が情緒操作をされている感が否めない。
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