本日の1冊: ドイツ式シンプルに生きる整理術
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物(?)の整理に関する本なのだが、個々の内容は有益なものの総じて良くわからず。まず(?)をつけたのは、気の流れ的な風水の話も織り込んでおり、シンプルに生きる整理術=モノを少なくする、またはわかりやすく整理する技術と想定して読むと戸惑いを覚える(”シンプル”の定義が不明となる)。また、内容も矛盾や突っ込みどころに富む。一例を挙げれば、
・説明の中ではモノの整理・処分はどこから始めてもかまわないが、例えば玄関から始めたとしよう(P.108)と書きながら、章末のまとめでは”玄関の前からスタートし、・・・”と断定している(P.118)。
・”パソコンのハードディスクにも「ガラクタ」が入っている可能性がある。古くて不要になったデータを削除すれば、新しくインプットするスペースができる!”と「空き容量」の話をしているのに、次に続く文では、”インプットしてある住所録をすべて点検してみよう(携帯電話やメールのアドレス帳も同様だ)。”と「人」の話に置き換わっている。
・”コードレス電話や携帯電話の時代である。どこか一定の場所に電話を置く必要はない。”(P.141)と空間を占有しないように訴えているが、モノ探しに時間を浪費しないよう、また定位置が決まっていなければ片付けることができないからという理由で”すべてのモノはふさわしい場所に置こう”(P.218)と述べている。
など枚挙に暇がない。全体を通しても、同じ事の繰り返しや、話の飛びが気になる。肝心の、モノの整理も、整理術は使用頻度により機械的に整理する方法を提示しつつ(自分自身はなかなか整理できないので、このような方法は至極有益だと納得)、記念品や美しい品などを取っておく品としているが、そのような抽象的な価値観のモノが溢れるから整理できない、と反論したくなってしまう。
塩で浄化、など風水の部分は、私のように実利を求めて本書を手に取り、そっち系を信じない者にとっては脱線以外の何者でもない。
高品質なモノを長く使う、などうなずく部分もあったが、総じて(皮肉にも)整理されていない、著者の主観的な主張と感じる。
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