本日の1冊: つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方

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つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方
ウィリアム・パワーズ 有賀 裕子

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インターネットの普及以来、メールにWebに、昨今ではSNSと、四六時中ネットに繋がっている生活が当たり前となった。むしろ、繋がっていないことで不安すら覚えてしまう人も多い。著者もそんな1人で、あえてネットに繋がらずに心の平安を取り戻そう、、、という趣旨なのだが、ただアンチ・ネットではないのがこの本の示唆に含んだところ。

かつて、グーテンベルクが印刷を発明して15年後。娯楽のために価値のないものが書かれたり、内容を歪めたり改悪したりされるから、偽りの書を1000部も世の中にばらまくよりは、本などないほうがましではないか(P.189)との批判が出ているとのこと。まさしく、ネット社会で情報の氾濫とか、玉石混合などと批判されている同じ事が、繰り返されている。所詮、印刷もネットも道具でしか無く、どう使うかの問題なのだが、技術革新はいつの時代も反感を生むという点で興味深い。

また、都市化が進み人口が増え出した時代、アリストテレスやセネカなどが如何に心の平安と社会の調和を試み、何が成功して失敗したか、本質的な問いは現代社会にも十分通用すると理解できる。

肝心のネットとのつきあい方、は人それぞれ千差万別だと思うが、歴史的な側面で、考えさせられた1冊。

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