本日の1冊: 獄中記 (岩波現代文庫)
獄中記 (岩波現代文庫) | |
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悪名高き外交官として宗男ハウスと共にひとときニュースで話題になった当人が、タイトルの如く逮捕されて拘留されていたときに記した1冊。国策による逮捕という当人の主張は非常に論理的、納得感があるとともに、以下にマスコミのニュースだけで物事を判断することが稚拙で危険なことか、痛烈に思い知らされる。また、氏の千慮、教養、強靱な精神力とストイックさには、ただただ敬服する。
ロシア外交、教養、宗教と学ぶことは多岐にわたるが、この本の主題とも言える鈴木宗男氏の断罪と小泉政権時代における世の沸き方を冷徹に、客観的に分析しているその内容も面白い。即ち、鈴木宗男氏を「政治権力をカネに買える腐敗政治家」とすることは、
”ケインズ型の公平配分からハイエク型の傾斜配分への転換を実現する上で好都合の「物語」なのである。”(P.511)
と論じている。
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