2012年1月 Archives

下町ロケット下町ロケット
池井戸 潤

小学館 2010-11-24
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ロケットに携わっていた研究者が、打ち上げ失敗の責任で職を辞し、親の跡を継いで工場を経営していた。経営は必ずしも順調ではなかったところへ、ライバル企業からの特許訴訟、重要な顧客の離脱、銀行からの融資拒否。そこへ日本を代表する大企業からの特許買い取り提案。研究者として、夢を忘れていないでいるも、会社を救う目の前の大金、若手社員からの突き上げ。

登場人物も、ストーリーも、ある意味コテコテで臭い。そう、普段なら冷めた目でしか見ないタイプの本であった。にも関わらず、魔力のように読むものをぐいぐいと引きつける魅力を備えている。テンポよく、終わってみれば久々にスカっと爽快な小説である。情熱・夢と現実、良くありそうな話だが、とにかく本書は一読の価値あり。
獄中記 (岩波現代文庫)
獄中記 (岩波現代文庫)佐藤 優

岩波書店 2009-04-16
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悪名高き外交官として宗男ハウスと共にひとときニュースで話題になった当人が、タイトルの如く逮捕されて拘留されていたときに記した1冊。国策による逮捕という当人の主張は非常に論理的、納得感があるとともに、以下にマスコミのニュースだけで物事を判断することが稚拙で危険なことか、痛烈に思い知らされる。また、氏の千慮、教養、強靱な精神力とストイックさには、ただただ敬服する。

ロシア外交、教養、宗教と学ぶことは多岐にわたるが、この本の主題とも言える鈴木宗男氏の断罪と小泉政権時代における世の沸き方を冷徹に、客観的に分析しているその内容も面白い。即ち、鈴木宗男氏を「政治権力をカネに買える腐敗政治家」とすることは、
 ”ケインズ型の公平配分からハイエク型の傾斜配分への転換を実現する上で好都合の「物語」なのである。”(P.511)
と論じている。
この1冊ですべてわかる コンサルティングの基本
この1冊ですべてわかる コンサルティングの基本神川 貴実彦

日本実業出版社 2008-05-10
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※数年前、読了の1冊。

BCG出身、コンサル業界転身を支援するムービン・ストラテジック・キャリアの代表などによる著作とあり、コンサルの仕事や業務は客観的であると共に、コンサルへの転身については資質や筆記試験・面接について具体的でありながら、簡易に書かれている。逆に各ファームの情報は手薄だが、詳細はムービンに相談というとこだろうか。
扉表紙にあるファームの歴史・遷移をはじめ、図表はコンサルの方々らしくわかりやすい。
コンサルティング業界大研究
コンサルティング業界大研究ジョブウェブコンサルティングファーム研究会

産学社 2005-01
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※夏頃、読了の1冊。備忘録に。

こちらもコンサルの歴史・仕事内容から、各ファームのインタビュー、ファームを卒業・起業した人のインタビュー、各ファームのデータの揃っており、コンサルの仕事から各ファームの特徴・内情がわかりやすい。特に前半の仕事内容や歴史は内容が濃く、読み物としても面白い。これも少し古いので、最新情報は別途確認する必要あり。
[改訂版]よくわかるコンサルティング業界 (業界の最新常識)
[改訂版]よくわかるコンサルティング業界 (業界の最新常識)大石 哲之

日本実業出版社 2007-01-27
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夏頃、読了の1冊。備忘録に。

AllAbout でも執筆されている大石氏の業界解説本。コンサルティング業界からコンサルタントの仕事、手法・ツールと各ファームの特徴・分類・勢力図にコンサルタントになるための手順などがわかりやすく掲載。内容は入門的であり、どちらかというと新卒が対象か。
コンサルティング業界大研究
コンサルティング業界大研究ジョブウェブコンサルティングファーム研究会

産学社 2007-12
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※夏頃、読了の1冊。備忘録に。

コンサル業界の仕事から歴史、各ファーム(※以下)やコンサル業界を卒業(起業など)のインタビュー、コンサルファームへ入るための筆記試験・面接などから求められる人物像、最後に各ファームの起業データなど、実際にコンサル業界へ入ろうとしている者にとって必要となる情報を一通り網羅した良書。マッキンゼーが掲載されていないが、他はまんべんなく、公平に扱われており、コンサルファームの分類(会計・戦略・日本独自・銀行)や各ファームの違いなどもわかりやすい。少し、情報が古いので最新情報は別途、仕入れる必要あり。

※インタビュー掲載企業
・アーサー・D・リトル 
・アクセンチュア 
・アビーム コンサルティング 
・A.T. カーニー 
・コーポレイトディレクション 
・ドリームインキュベーター 
・フューチャーシステムコンサルティング(現フューチャーアーキテクト) 
・ベイン・アンド・カンパニー 
・ベリングポイント 
・ボストン コンサルティング グループ 
・ローランドベルガー 
・IBM ビジネスコンサルティングサービス 

Apple Debut. Mac book air

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20年程度のPC利用で、ずっと手を出していなかったMac。
今回、とあるイベントを転機にノートPCの購入を検討、MacBook Air 13 inch を購入。以下、駄文ながら思考記録まで。

数年前のMacbook AirのDebutから製品としてはずっと気にはなっていたものの、個人用ノートパソコンの必然性が無く、またWindowsとの違いから買うとしても今までの経緯からThinkpad を選択しようと思っていた。しかし、いろいろ考えれば考えるほどWindows PC の必然性が低くなっていた。

・アメリカでは、ビジネスでもMac率が高い(逆に日本では、個人で手を出さないと経験する機会が少ない)。
・昨年10月にiPhone 4S を購入してしまったので、Anti-Appleのポリシーは既に崩れている。
・Cloudの流れで、ほとんどの作業はWebで完結する。また、使用頻度の高いClient Application、Microsoft Office も Mac版は安い。その他フリーソフトも、Mac版がほとんど出ている。
・いざとなればWindowsも動かせられる。
・性能・コストのパフォーマンスがそもそも高い上、会社の福利厚生の一環で安く買える。
・”慣れ”を理由にWindowsばかりを選んでいては、脳に刺激を与えられない。

数ヶ月の検討を経て、購入。数日での使用では、まだまだキーボード・ショートカットのPCとの違いに戸惑いが多いが、洗練されたボディとOSに感心も多い。
冗長になるが、ノートパソコンの鬼門となるバッテリについても一言。1回あたりの使用時間もそうだが、寿命が非常に気になる。コンセントに繋いだまま使用していると、容量の100%近くで充電・放電を繰り返し、毎日使用していると1年程度で寿命になってしまう。充電開始・終了をパーセント単位でコントロールできるThinkPad の考えは非常に好きであったが、通常電圧CPUを採用することが多く(それはそれで製品の可用寿命が長いのだが)、1回の使用時間が他社製PCと比べて短いのが玉に瑕であった。Macbook Air は充電・放電タイミングの設定はおろか、内蔵バッテリなので交換すらユーザーが行えない。その思想は忌み嫌っていたが、13インチ版は公称で7時間使用可能、スリープは30日間維持できるうえ、充電・放電を自動でコントロールすることで5年程度の寿命という。ここまでくると潔いというか、考えを改めざるを得ない。
Twitter×アメブロでビジネスを加速する方法
Twitter×アメブロでビジネスを加速する方法青山 華子

ソーテック社 2010-12-09
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タイトルでは”ビジネス”といかにも起業者向けだが、内容は簡易、かつTwitterから派生する他のサービス(Yonda4なども)からFacebook、Evernoteまで広範囲をカバーしており、個人・趣味の範囲でも(むしろその人達に)役立つ。一通りやっている人には今更という内容ではあるが、前述の派生サービスの中には知らなかったものもあった。1時間もかからずに読める内容なので、これからという人だけでなく既にTwitter・アメブロを熟知しているという人でも、隙間時間の活用がてら読める。