本日の1冊: 質問する力 (文春文庫)
質問する力 (文春文庫) | |
大前 研一 文藝春秋 2005-03-10 売り上げランキング : 21960 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
バブル後の地価下落、冷戦崩壊・ビルゲイツからの世界、シンガポールの奇跡を題材にそれぞれ章立ての後、様々な問題に対して問題提起・一刀両断する。その量、テンポは相変わらず、圧巻で心地よい。その対象は年金、国債、ペイオフ、北朝鮮問題、郵政民営化などから、”原子炉は安全でない”など今まさにホットな題材など枚挙にいとまがない。ただ問題提起するだけでなく、プレート課税、英語教師採用の国籍条項撤廃、道州制など(著者の他の本やWebの原稿を読んでいると繰り返しも多いが)アイデアも提案多い。
目から鱗だったのが、歴史教科書を疑う点。開国時代にも日本に優秀な人材が居たと言うことで幕臣小栗忠順を挙げているが(P.268、新井喜美夫『幕末日本を救った救った「先見力と胆識」』プレジデント社、1992)、そうした人物も、現在の日本の歴史の教科書は明治維新の薩長土肥の後輩達が書いたものだから、幕府側の官僚は悪役としてしか出てこないのである。ただ鵜呑みにしていては、見落とす、知らないことがいかにあるか。
本書を読んでなるほどと感嘆するのは易し、如何に同じような、問題の着眼点・思考力を鍛えられるか。自問したい。
P.S.氏の著書の中では、比較的口調が穏やかであった。
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