本日の1冊: 「知の衰退」からいかに脱出するか?

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「知の衰退」からいかに脱出するか?
「知の衰退」からいかに脱出するか?大前研一

光文社 2009-01-23
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論理的な批判的な言動が目立つ大前氏だが、分厚い(440ページ)本書でもその切れ味ある論調は留まるところをしらない。

政治の体たらくに対する批判を目にしない日はないくらいだが、選挙から制作に至るまで表面的な事象しか報道しないマスコミ、そして最終的には我々自身が何も考えていないことを嫌というほど痛感させられる。低IQのTVが氾濫、何も欲せず、何も考えず生きる人が多いことを氏は嘆く。

今の中国や韓国にあって日本にないもの、「坂の上の雲」。その他、国民1人あたりのGDPが日本を超えたシンガポール、成長著しいインド、現状でも次々に日本の価値が下がっていく中、常に先を見通してきた著者にとって将来の日本はどのように見えているのだろうか(想像に難くない、悲惨な状況が本書の悲観論になっているのだろう)。

それでも決して悲観論一辺倒ではなく、一図の希望も残して本書を綴っている。後半では、他の本でも散々言っている現代の3種の神器「IT」「金融リテラシー」「英語」、学ぶべき他国の事例など。読者に考えさせるための設問が随所に織り込まれている。その中でも、最後の問い、「今日からあなたはどのように行動しますか」は重い。

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