2011年7月 Archives

絵で見る十字軍物語
絵で見る十字軍物語塩野 七生

新潮社 2010-07
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見開き左にドレの挿絵、右にその絵が描かれた場面の地図と簡単な解説という構成で、十字軍500年の歴史を綴る。とにかく、キュスターブ・ドレの絵が繊細・緻密ですばらしく、引き寄せられる。解説は多くは語らず、挿絵と地図から読者に想像をかき立ててくる。なかなかキリスト教とイスラム教の争いというのが日本ではピンと来ないが、その最大の背景とも言える十字軍の歴史が簡単に読める。いや簡単だからこそ、500年という長期に渡る歴史を俯瞰できる。大人の絵本とも言うべき1冊。
給与明細で騙されるな サラリーマンのための「働くルール」入門 (朝日新書)
給与明細で騙されるな サラリーマンのための「働くルール」入門 (朝日新書)北村庄吾

朝日新聞出版 2011-01-13
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著者の主張、”多数派は入金額だけ確認して給与明細はゴミ箱直行”は偏見のように感じ、冷めた目で読み始めた。しかし、非常に分かりやすく、かつ半年ほど前の発行と有り来年(2012年)の控除・改正など最新まで解説されていて参考になる。政局の道具に使われることも多い控除のルールは数年おきに変わることもあり、適宜最新動向の把握が欠かせないが、そんな用途にも本書は向いている。
エネルギー問題!
エネルギー問題!松井 賢一

エヌティティ出版 2010-02-11
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石炭・石油・天然ガス・原子力・再生可能エネルギー、そして地球温暖化問題、エネルギー観に歴史と政治とエネルギー問題を一通り網羅されており、鳥瞰的に理解できる1冊。特に3.11の1年程前に発行されたこともあり、ほぼ最新、かつ昨今の極論的な反原発や再生可能エネルギー傾斜について、冷静に考えさせられる(あるいは原発寄りと見なされるか)。
戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ
戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ野中 郁次郎 戸部 良一 鎌田 伸一 寺本 義也 杉之尾 宜生 村井 友秀

日本経済新聞社 2005-08-06
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失敗の本質」と同じ構成で、歴史(20世紀)の事例から主に勝者を中心に敗者との差異を分析、現代にも通じる原理を導く。

20世紀の戦闘「毛沢東」「バトル・オブ・ブリテン」「スターリングラード」「朝鮮戦争」「第四次中東戦争」「ベトナム戦争」を紹介・しながら、クラウゼヴィッツ、ジェミニの他、リドルワート、ルトワク、孫子といった戦略家の考えとともに分析していて、いわゆる戦略を学ぶ入門書になる。

「失敗の本質」の原理が組織・戦略論であったのに対し、こちらは戦略を考案する人、即ちリーダーシップ論に帰着する。「失敗の本質」よりも分析・記述が難解で、著者の結論から実際の戦果まで因果関係が直感的に腹に落ちない。とはいえ、「失敗の本質」同様、参考になる1冊であるのは変わらずだが。
ひきこもりの国
ひきこもりの国マイケル・ジーレンジガー 河野 純治

光文社 2007-03-23
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”ひきこもり”という日本固有の現象(!)を入り口に、歴史、社会、政治や、西洋・隣国の韓国などとの比較、心理学者などのインタビューを基に深い見識で”日本”を描く。なぜ日本人が(今は意識しないと思っていても)「イエ」柄を意識し、他人に冷たいのか。なぜ、横並びの行動を取るのか。

個々の例示や論理には反論を加えたいところもあるのが正直だが、外国から見た日本観の把握として、また日本人としてのアイデンティティ確認として、ボリュームはあるがぜひ読んでおきたい1冊(事実、普段は意識することのない”日本人”とは何か深く考えさせられた)。
BE-PAL (ビーパル) 2011年 07月号 [雑誌]
BE-PAL (ビーパル) 2011年 07月号 [雑誌]
小学館 2011-06-10
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驚きのオリジナルのマルチツール(ミニプライヤー・プラスドライバー・マイナスドライバー・ヤスリ・栓抜きなど)が付録の30周年記念号。あっという間にどこも売り切れだったが、たまたまとあるコンビニで発見。付録の精度に驚き。また、別冊のロープワープブックも参考になる(この手の本は1冊は家に置いておきたいが、コンパクトで有益。難点は紙質がいまいち)
あまりに付録のインパクト・有益度が高く、肝心の雑誌の内容が白けてしまうほど(いつも通りなのだが)。