本日の1冊: アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)

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アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)
アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)野中 郁次郎

中央公論社 1995-11
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1775年に英軍のそれを模して設立したアメリカ海兵隊について、歴史からその海兵隊の意義、そして普遍的な組織(個人)の価値とは何かを分析、まとめ上げている。「失敗の本質」同様、その内容は単に歴史や対象(ここでは海兵隊)だけでなく、現在の身の回り、組織戦略や個々の意義は何か考えさせられる。

空・海・陸軍と違い、海兵隊は常に不要論と共にその存続が危ぶまれてきたため、自己革新を遂げて来たというのが本書の主眼。元は船上の兵士としてスナイパー・切り込み隊だったのが、時代が主砲になると憲兵として、海軍と摩擦が出ると前線基地の防御要員として、そこから強襲に転じて水陸両用作戦を考案・硫黄島、沖縄などで生かす。その後もヘリボーン、そして湾岸戦争など現代では即応部隊として、その価値を変革しながら示し続ける。

海上部隊も、航空隊も、陸上部隊も持つ中、海兵隊の中心は皆ライフルマンという哲学もおもしろい。何をより所にし、何に注目し、何を変革していくか。良書である。

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