本日の1冊: 坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)
坂の上の雲〈4〉 (文春文庫) | |
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4巻では旅順から出てきた艦隊との黄海会戦、陸軍の遼陽会戦、及び膠着している旅順攻略と、バルチック艦隊の出航が記述。国力が乏しい中、当時の日本の字のごとく必死な想い、決意の重さは決して今の時代では計り知ることができない。逆に、日本・ロシア問わず、うまく立ち回れなかった箇所を、組織・人間などの視点で冷静に記述している内容は現代にも通ずるものが多々あり、考えさせられる。
また、そうした中で渦中の人物らが引用する歴史についても興味深い。
・黒木は遼陽作戦として義経の鵯越(ひよどりごえ)と理解。(P.128)・うかうかすると、乃木はグルーシー将軍になる」(P.405~)
ナポレオンがウォーターローで英普連合軍との戦ったとき、別同隊を率いていたのがグルーシー将軍。彼は愚直という以外に取り柄のない将軍で、柔軟な頭脳と決断心を持っていれば、ナポレオンの運命は違っていたかもしれない。
もちろん、小説としても読む者を惹きつけるおもしろさは、なるほどこれだけ読まれるのも納得である。
以下、個人メモ
・長岡外史はのちに飛行機に着眼したり、伝書鳩を鷹でやっつけようとしたりしたところを見ると、飛ぶものが好きなのかも知れなかった。(P.212、気球を活用するシーンにて。)
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