本日の1冊: エアライン・クライシス―なぜ信じられない事故が起こるのか (平凡社新書) (新書)
エアライン・クライシス―なぜ信じられない事故が起こるのか (平凡社新書) | |
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今昔東西、様々な航空事故を紹介。が、本としては話の流れに論理性がなく、個々の事故の分析も軽薄。
まず論理性という意味で、話の始まりが”クライシスの始まり”ということで9.11によって航空の安全が覆されたと謳っている。にもかかわらず、本編は過去の”信じられない”事故の事例紹介や、古い機体の危険性・特定の機体の結果説明に終始する。そして話の結末も、局所的な結論である。
個々の事故では、因果関係が確定していない物や、恣意的な報道等をそのまま掲載しており、多面的な分析がほとんどなされていない。例えばB777のために洋上飛行ルールをFAAが規制緩和した点を、エアバスが安全性をないがしろにしていると批判した点について、”もしエアバスの主張が正しければとんでもないことである”と早急に結論づけている。しかし、(アメリカのメーカーよりなルール変更の是非は別として)ルール変更による事故が2010/3現在、出ていない点からもルール変更による危険性の増加は認められない。
その他、気になる点多数で、残念な内容だった。
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